会場となった国立新美術館
09:30からの開幕式
第40回日展 工芸美術第1室手前の飴色の大きな器が今回の出品作
10月28日、29日、国立新美術館において工芸美術の審査員が中心となって入選作品、無鑑査作品を第1室から9室まで陳列した。
個展では自らがレイアウトして会場構成するのだが、その経験とは異なる日展というメジャーな展覧会で、
別々の作家の作品を一同に並べることは別の意味でのセンスが求められる。経験ある先生方の巧みな陳列方法には驚かされた。
審査員は審査のセンスも問われるが、そのような団体展の会場デザインセンスも問われる。全てに初めての経験だ。
第1室、文化功労者、日本芸術院会員、日本芸術院賞受賞者、文部科学大臣賞受賞者、評議員、審査員、最も注目されている委嘱作家。
第2室、第4室、日本芸術院賞受賞者、評議員、会員、委嘱、無鑑査、一般の入選者。第3室、特選受賞者や新々気鋭作家。
第5室、第8室は若手注目作家。第6、7、9室は新入選を含めた激戦をくぐり抜けた入選作品。
このように各室を特徴づけした陳列となった。
30日午後2時からは入選者への内覧会が開かれた。初めて入選を果たした出品者や特選受賞者などの嬉しそうな顔を目にして、
審査員になれたことの喜びを実感、これも初めての経験だ。31日朝9:30よりテープカットが行われ、遂に第40回日展は開幕した。
来場者の本年の反響はどのようなものなのかとても楽しみなことでもある。ちなみに日展会場で眼にするキャプションには作家名、
作品名、出身、役職などある。そのルールを参考の一助になればと思い説明する。
・日展(工芸美術)で今回展示される作品約660点
入選作品
(今回は約1000点の出品から500点が入選、そのなかで特選受賞作品10点)
無鑑査作品
(委嘱、無鑑査、新審査員、会員、評議員、理事、常務理事、参与、顧問で約160点)
・日本芸術院会員まで極めた先生の検証例(例外もあるので断定ではない)
一般入選→1度目特選受賞(毎回10作品)→無鑑査(特選受賞翌年度)→2度目特選受賞(翌年より委嘱作家/日展会友)
→新審査員(翌年より日展会員/日展会員賞)→更に2度の審査員(日展評議員)→内閣総理大臣賞または文部科学大臣賞
→日本芸術院賞(日展理事/参与)→日本芸術院会員(日展常務理事/顧問)→文化功労者→文化勲章
長い長い道のりを歩いて来られた先生方は凄い
ちなみに日展(工芸美術)では奥田小由女先生(人形)が今年度の文化功労者に選ばれたばかりだ。