September 7th, 2008

BOSTONでの日曜日

column

BOSTON GOVERNMENT CENTER

 

急に思い立ったように午後のシャトル便でNew York Newark空港からBostonに来た。
快晴の日曜日、そして今年最後の夏の陽気を感じる。当然、町は賑わっていた。

 

午後、行きたい所をほとんど歩いてみた。ゆっくりしたその時間は、
1981年から1985年の5年間をBOSTONで生活した私に、数々のことを思い出させてくれた。

 

あの時、あの人、今は、、、
歩いているうちに景色だけではなく人の残像も記憶から甦ってくる。気がつくと涙が溢れたり、
微笑んだり、間違いなく私の残した何かが私のために存在してくれている。

 

BOSTON CITY HALL(ボストン市役所)を訪れた。
1984年それも9月に私はそのイベントホールで初めての個展を開いた。
あの時の張りつめた気持ちは、とても新鮮だった。RECEPTIONではBOSTON UNIVERSITY学長、
BOSTON市長、BOSTON美術館などの要人、NYやBOSTONからの裏千家の人々、
そしてわざわざ金沢から駆けつけてくれた両親、多くの出席もあり、初個展は大成功であった。
しかし多くの人に支えられてのことで今も忘れることができない。
長い時間をかけて臨んだ個展が終わった時には、夢の次を考えていない若者(自分)は脱力感で何もできなくなった。
今でも常に夢の次の夢、臨んだPROJECTの次のPROJECT、そのように取り組んでいこうとするのは、
この経験からに違いない。

 

BOSTON COMMON(ボストン公園)
恋人同士、家族同士、楽しそうに最後の夏を過ごしている。
ベンチに座っている自分を覗き込むようにリスがやってきた。
えさがほしいのか私から離れていかない。1981年9月初旬の日曜日、
私は同じ公園で同じようにリスがやってきたことを思い出した。
もちろんその時のリスではないだろうが、親子だろうかとも考えてしまった。
あの頃は新学期で来たばかり、友人もいないような寂しさでリスと話した自分が懐かしく思えた。

 

2008年9月初旬の日曜日、BOSTONは新学期を迎えた学生達で賑わっていた。
友人のようで、まだ馴染みきれない、そのような若者達が多かった気がする。
20数年後、BOSTONを再度訪れ、彼らも昔の自分を見るのだろうか?
この町に思い出をもてている自分、遠い昔とは悲しさのなかに足跡があるような、
不思議な幸せを感じた日であった。

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