July 18th, 2008

第3回裏千家青年部サマコンファレンス 於 東京ドームホテル

column

第3回裏千家サマーコンファレンス開催
~「茶の湯は日本のポータルサイト」

 

稲盛氏に謝辞を述べる大樋年雄

 

7月18~20日、東京ドームホテルをメイン会場に第3回サマーコンファレンスが開催され、
全国各地から裏千家青年部会員約520人が集まった。

 

今回が3回目となるこのコンファレンスは、千 宗室御家元の発意により、
青年部会員が一堂に会して共に学び交流を深めることで、次代を担うリーダーとしての
素養を高めることを目的とする事業である

 

私は冒頭からのORIENTATION、開講式、基調講演、そしてそれに出席される
VIPや御宗家を担当する第1部会長(副実行委員長)という重圧のなかでの参加となった。
青年部は50歳が定年であって、今まで数々の先輩の足跡を確かめてきたのだが、
ついに私が去る年となってしまった。
そのようなこともあって、思い入れが強い時間でもあった。第1部会員の方々のお陰で、
参加者からとても印象的な始まりだったとお褒めの言葉を多く頂いた。
嬉しいかぎりである。

 

基調講演は講師に京セラ株式会社名誉会長の稲盛和夫氏をお迎えし、
「人生について思うこと」と題して基調講演をいただいた。
稲盛氏は、今日まで歩んできたご自身の人生を振り返りながら、
「善いことを思い、善いことをすれば、運命は善い方向に変えられるものです。
どのような試練も感謝の心で受け止め、幸運が訪れても自分を試す試練だと思う姿勢が大切。
全ては心の持ち様次第なのです」と語られた。
謝辞は私が担当で、偉大な人のことをコメントするなどという愚かなことかもしれないが、
以下のように述べさせて頂いた。

 

人は常に、壁に突き当たり、悩み、もがき、苦しみます
そのつど人間として何が正しいか考えます。
しかし、そんなに簡単に答えがみつかるものではありません。

 

稲盛先生の自問自答する中から生まれてきた人生哲学には
「人間としてこういう生きざまが正しいと思う」という信念があります

 

人生には主観、客観、反省、自覚という段階があるのかもしれません
常に「私が」と先に考えてしまいます
もしかすれば誰かに言われ「私がサマーコンファレンスにきた」と
考えていた人も多かったかもしれません。
今、お話を聞いた参加者皆が「サマーコンファレンスに私がいる」と
感謝のなかで思うことができていることでしょう

今、心が滅びた社会で、考えられない悲劇ばかりが起こっています。
日本は「うつの時代」ではないかと言う人も思います。

 

今一度、われわれは裏千家茶道の道を歩ませて頂いているという感謝のもとに
一日一日を懸命に生きていかなければならないと思います。
今日の「人生について思うこと」話されたことに、そのための多くのヒントがあったと思います。

 

懇願した稲盛先生に実際にお話頂いたことは、未だに信じることができません。
もちろん、坐忘斎御家元をはじめとした裏千家御宗家のおかげでもあります。
この境遇に深く感謝したいと思います。
今日のことは、参加者全員が忘れることはございません。
本当にありがとうございました。

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