美術、音楽、両学部の新入生、大学院生などの1000人ぐらいの入学式。
宮田学長曰く
「それぞれがそれぞれの努力によって、得ることができた今日」
そして「目」という象形文字を壇上で筆を用いて書かれた。
それは学生への最高のメッセージ
裏を見抜く「目」影を見抜く「目」の大切さ
自らを語らず、学生へ想いを伝えた学長は、とても素敵だった。
長男の入学式に親が出向くのは当然だろう。
そして、私の父(長左衛門)母、妻の両親も参列してくれた。
長男は祖父母(四人)が出席したことは一生忘れないだろう。
父(長左衛門)は母校に感無量のようだった。
60年以上前、父は戦中にその藝大で学んだのだ。
学友(勅使河原 宏氏、加山 又造氏など)ほとんどは他界してしまった。
30年前、20年前、10年前、人々にはそれぞれの想い出がある。
父は私に相当の期待を抱いて今日まで生きてきたと思う。
高校時代、たった一度だが聞かれたことを覚えている。
「東京藝大は行かないのか?」
すべてに反抗してきた私の答は
「行くわけないだろう!」そして行ける努力もしなかった
寂しかったと思う。でもそれが私の生き方だった。
父(長左衛門)と長男、そして私、三人で並んだ写真を取った。
「それぞれの人生だけど、それぞれの同じ道」
その時、そんな言葉が脳裏で聞こえた。
幸せなことかもしれない。