兄上である千住博氏は日本を代表する画家であり、千住明氏(作曲家)、真理子氏(ヴァイオリニスト)の3兄弟、
ご両親を含めて長い御付き合いを頂いている。このように三者三様に活躍する兄弟、育てたご両親、
私は常に尊敬の念を抱いている。
10月25日、アンサンブル金沢定期公演で明氏は作曲家として、真理子氏はヴァイオリニストとして競演するのだが、
一緒になることはほとんどないらしい。それも金沢という場所での公演だから、我家を訪ねてくれた。
23日の晩、明氏、真理子氏、そして御母上とともに「つる幸」で会食をした。
御母上は大病をされ病後初めてのお出かけとなったのだが、この夕食が更なる励ましとなった。
なぜなら兄上は四校(金沢大学の前身)出身であり、その後、金沢工業大学で長い間教鞭を取られていたのだ。
そしてこの「つる幸」をこよなく愛す常連だったのだ。東京に戻られ、3年前に亡くなられたのだが亡くなる直前まで、
金沢の「つる幸」にまた行きたいと何度もお話になられていたそうだ。「つる幸」ご主人や女将さんも加わり想い出話しに花が咲いて、
我々は献杯したのであった。そのような縁を結ぶことができた私も思わずもらい泣きをしてしまった。
人の縁は不思議な糸で繋がっていることを再認識した。
献杯