京都芸術センターで茶会をもたせて頂いた。
かなり以前に裏千家坐忘斎御家元より席主の依頼を受けたこともあり、実は昨年の2月と錯覚してしまった時期があった。
準備は一年前に出来ていたことになるが結局、道具組を含めて何もかもが変わってしまったのではあるが、、、。
場所は京都芸術センター、昔の京都風情の小学校をそのまま残した文化施設である。
数々の芸術家が席主となって明倫茶会が開かれてきている。
私が茶席をもたせて頂く?茶席を私が持たせて頂く?
どうしたらいいのか?自分なりに悩んだのは事実!
京都、古来からの日本文化の発信地である。当然、金沢も大樋焼も父も私も、尊敬とその恩恵に感謝しなければならないルーツが
そこに秘められている。金沢、私が生まれた町。遠い昔、前田家は京都から偉人を招き入れ文化を創造させた。
その一人は仙叟・宗室(裏千家始祖・四代)。前田家に茶道奉行として京都より金沢へ招かれ初代長左衛門(楽家四代一入の弟子)
が同道した。そして大樋焼が生まれ今も続いている。金沢に多くの工芸が今も継承されているのも大きく起因している。
教室を待合に使う。そこは仮想授業の世界!それは寺小屋!
それはバーチャルリアリティな授業。
教室左側には仙叟居士(裏千家四世)の画像を教師用の椅子からPCで映し出し、
その後ろのスクリーンには仙叟までの茶道の歴史や人物を写しだした。
教室中央には西田幾多郎(元京都帝国大学教授—現京都大学・哲学者・石川県出身)
の純粋経験の本を教師用の椅子に飾る。
黒板に書かれた内容は
「平成20年2月 23日架空幻想寺小屋」
私が茶席をもたせて頂く
茶席を私がもたせて頂く
主観と客観反省そして自覚
教室右側前田綱紀候(五代加賀藩主)の画像を教師用の椅子からPCで映し出し、
その後ろのスクリーンには仙叟以後の金沢の歴史や人物を写しだした。
そして上の階に皆が向うと茶室となる。時間を越え、人や歴史に感謝をしながら文化の絆を確かめる。
言い換えれば、金沢文化から京都文化に感謝を捧げる茶会をテーマとさせて頂いた。
多くの希望者で抽選となったそうであるが、有り難いことだが参加者にはどのように捉えて頂いたのだろうか?
盟友であった、故伊住政和氏の夫人弘美様をはじめ、私の茶会を応援しようと東京や金沢、
そして京都より駆けつけてくれた友人達に感謝しています。
そして何より裏千家坐忘斎御家元様の深いご理解が、総て私の心の支えでもありました。
このような機会を与えて頂きありがとうございました。